この記事でわかること
この記事では日本国内における【年代別平均年収】について解説します。
昨今いろいろな媒体で囁かれるこの平均年収ですがこの記事を執筆している時点での平均年収は・・・
平均年収 : 約 460万円

こんなに貰ってない・・・

皆そんなに貰ってるの!?

私の年収低すぎ!
なんて感じる方も多いのではないでしょうか?
実はこれ・・・平均年収に隠されたあるカラクリのせいなんです!
ここではそんな疑問を持たれる方もにもわかりやすく、平均年収に隠された謎を解説していきます!
平均年収を把握していれば自分の市場価値を把握することができ、今後の将来設計が立てやすくなります。
平均年収に興味がある方もない方も是非最後までご覧ください!
平均年収 (令和7年1月作成)

平均年収推移
☟のグラフは国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」を参考に作成した2018年~2022年の平均年収の推移です。
こちらを見ると2020年から平均年収は上昇を続け2022年時点で458万円となっていることが解ります。


みなさんこのグラフのように平均年収増えていますか?
実態とずれる理由
自分の年収と全然違う!と思われる方も多いかもしれませんが、これには理由があります。
その理由とは【すべての年代を平均した数値】であるからです!
日本は長らく【年功序列賃金制】を採用してきた弊害で、給与が勤続年数によって決定される傾向にありましたので、20代<30代<40代・・・のように年を重ねるごとに給与が上がっているのです。
そのため、全世代を一まとめにしたこちらの算出方法では、本当の意味での国民一人当たりの平均年収というのは算出できないのです。
となると・・・自分の年収が世間一般的に見て妥当なのかを検討するには年代ごとの平均年収と見比べることが有効そうですね!

なのでこの算出方法で出された平均年収は
日本全体の年収が【上がってるor下がってる】程度の参考としてみるのがちょうどいいでしょう。
年代別平均年収 令和7年1月作成

前項で年代別に考える必要性について触れましたので、ここでは年代別平均年収について確認していきましょう。
続いてこちらが年代別の平均年収となります。
年齢階層 | 平均年収 |
---|---|
19歳以下 | 124万円 |
20~24歳 | 273万円 |
25~29歳 | 389万円 |
30~34歳 | 425万円 |
35~39歳 | 462万円 |
40~44歳 | 491万円 |
45~49歳 | 521万円 |
50~54歳 | 537万円 |
55~59歳 | 546万円 |
60~64歳 | 441万円 |
65~69歳 | 342万円 |
70歳以上 | 298万円 |

いかがでしょう?
少しは自分の収入に近づきましたでしょうか?
こちらの表を見るに【年功序列賃金制】の弊害がモロに出ており20代~50代までは綺麗に右肩上がりに上昇していますね。
60歳以降は多くの企業で退職、再雇用の動きがとられるため年収が減少します。
前項であった平均年収458万円ですが、こちらの表と比較すると平均年収に届くのは35歳以降であることが解ります。
もちろんこれらの平均値は令和7年の今現在とは多少異なる数値にはなりますが、それでも大きく極端に変わることはないでしょう。
ここでも自分の年収と全然違うのはなぜ?
だいぶ自分の年収と似た数値になってきたかもしれませんが、それでもまだまだ自分の年収と平均値に大きな違いがある!という方もいらっしゃるかもしれません。
ここで一旦冷静に以下の質問について考えてみましょう。
東京都に住んでいる人と北海道に住んでいる人・・・家賃はどちらが高いと思いますか?
医者とコンビニ店員・・・どちらのほうが給与が高いと思いますか?
いかがでしょうか?この質問だけでも何となく他の理由が見えてこないでしょうか?
年代以外にも平均年収に影響を与える項目は様々なものが存在しますが、ここでは特に大きい理由として考えられる幾つかの候補を紹介させていただこうと思います。
平均年収に影響するいくつかの理由

ここでは平均年収に影響を与える項目のうち特に大きなものをいくつかご紹介いたします。
① 性別
性別 | 平均年収 |
---|---|
男性 | 563万円 |
女性 | 314万円 |
こちらは【国税庁:令和4年分 民間給与実態統計調査】の性別ごとの平均年収となります。
この調査結果からわかるとおり、男性と比べて女性は平均年収が低い傾向にあります。
近年では女性労働者、女性管理職の増加、男女差の是正が叫ばれていますので徐々にこの差は縮小する可能性がありますが、現時点では残念ながら性別による給与格差は確かに存在しています。
② 地域
都道府県 | 平均月間賃金 | 平均年間賃金 (月間賃金×12カ月) |
---|---|---|
東京都 | 37.55万円 | 450.60万円 |
神奈川県 | 33.56万円 | 402.72万円 |
大阪府 | 33.09万円 | 397.08万円 |
愛知県 | 31.26万円 | 375.12万円 |
兵庫県 | 31.23万円 | 374.76万円 |
奈良県 | 31.06万円 | 372.72万円 |
こちらは【厚生労働省:令和4年 賃金構造基本統計調査】による都道府県別の賃金(上位6都府県)となります。 ※ここで言う賃金には賞与、各種手当などは含まれていません。
東京や神奈川といった関東圏は比較的賃金が高い傾向にあるほか、関西や名古屋周辺も比較的高いことがわかります。
出典:厚生労働省「令和4年 賃金構造基本統計調査 都道府県別賃金(男女計)」

先の質問で出した北海道は26.77万円と東京と比べると月で見ても10万円以上低くなります・・・
これだけみると都市部のほうが豊かに暮らせるのか?と感じるかもしれませんが、平均賃金が高いから生活も豊かかというと、そうとも限りません。
都会や大都市圏は物価が高いほか、家賃も割高な傾向にあります。このようなケースにおいては、平均賃金が高くても支出が多いことが想定されますので要注意です。
③ 業種・職種
業種 | 平均年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 747万円 |
金融業、保険業 | 656万円 |
情報通信業 | 632万円 |
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 | 544万円 |
製造業 | 533万円 |
建設業 | 529万円 |
複合サービス事業 | 506万円 |
運送業、郵便業 | 477万円 |
不動産業、物品賃貸業 | 457万円 |
医療、福祉 | 409万円 |
卸売業、小売業 | 384万円 |
サービス業 | 377万円 |
農林水産・鉱業 | 337万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 268万円 |
こちらは【国税庁:令和4年分 民間給与実態統計調査】による業種別平均年収です。
最も高い業種:「電気・ガス・熱供給・水道業」 747万円
最も低い業種:「宿泊業・飲食サービス業」 268万円
この結果は正規社員も非正規社員も含めたものであり、それが業種によっては大きく影響している事も考えられますが、それでも1位と最下位では450万円以上の差があることがわかります。
④ 事業規模
事業所規模 | 平均年収 |
---|---|
1~4人 | 340.1万円 |
5~9人 | 398.8万円 |
10~29人 | 424.8万円 |
30~99人 | 423.4万円 |
100~499人 | 445.7万円 |
500~999人 | 480.3万円 |
1,000~4,999人 | 520.8万円 |
5,000人以上 | 538.4万円 |
【国税庁:令和4年分 民間給与実態統計調査】による事業規模ごとの平均年収です。
こちらからは多くの人がイメージする通り、個人事業<中小企業<大企業の順に平均年収が多くなることが解ります。
⑤ 外れ値

こちらの関しては公式記録がなかったため具体的な数値が出せないのですが平均年収を算出する際に絶対に忘れてはいけない項目となります。
昨今特に顕著ではありますが日本でも貧困層と富裕層の格差は徐々に開いてきています。
同じ20代でも【A:200万円】【B:500万円】【C:2,000万円】【D:1億円】など大きな乖離があった場合で考えてみましょう。
この4人で平均年収を算出した場合【200万+500万+2,000万+1億÷4=3,175】となるためニュースでは☟のように大々的に放送されます。

20代の平均年収は3,175万円です!
バブル期以降の最高金額となりました!
自民党素晴らしい!!!
・・・ふざけるなとなりませんか?
この例はかなり差を持たせましたし、算出する候補が4例だけでしたのでかなり極端な数値となりましたが、現実でも多かれ少なかれこのような現象は確実に発生しています。
このように世間一般の会社員が全く年収があがっていなくとも、一部の成功者が大金を稼ぐと実態に即していない平均年収となってしまうケースが少なくないことは覚えておいてください!
最後に
いかがだったでしょうか?
全部を紹介しきれていないためまだまだ疑問が残る方も少なくはないかと思いますが、以上が様々な角度から見た平均年収と自分の実態と乖離する理由となります。
ここで最低限抑えておくべき項目を以下にまとめますので復習の意味も込めて今一度ご確認ください。
・ニュースで報道する平均年収は実態にそぐわない
・平均年収は年代で大きく異なる
・平均年収は【性別・地域・職種・規模】によって大きく異なる
・外れ値を頭においておく
昨今では政府のアピールも激しく、毎日のように平均年収の上昇や賃上げについて盛んに報道されていますが、ほとんどの国民は全くと言っていいほどその恩恵を感じてはいないでしょう。
それにはこの記事にあるように実態に即していない算出方法で少しでも高く見せようとするカラクリが隠されていたのです。
この記事を確認し、自分の年収を同年代同職種の平均年収と見比べてどう感じたでしょうか?
年収に大きな乖離がないのに生活が苦しい人は毎月の収支を見直す必要があるかもしれません。
毎月の収支に大きな無駄がないのであれば何か副業を行うことも考えてみてはいかがでしょうか?
自分の年収が世間一般と比較して低いのであれば転職を考えるのも一つの手段です。
このように平均年収というのは自分の今後を考えるうえで確りと把握しなくてはいけない重要な項目です。
この記事が皆様の今後のお役に立てますと幸いです。