この記事でわかること
住宅を購入する際はほぼすべての方が利用する住宅ローン。
この住宅ローンですが、実際に住宅購入を検討する際に初めて内容を知る方も少なくないのではないでしょうか?

自分がどの程度借り入れできるかわからない・・・

どこで借入すればいいのかわからない・・・

何となく契約しちゃったけど、細かい仕組みがよくわからない・・・
ほとんどの人が手探りで勉強していくこの住宅ローン。
大きいお金が動く割にはしっかりと内容を把握している人が少ないのが実情です。
この記事では住宅ローンの利用を検討するうえで、特に抑えておくべき重要な項目の解説と、よくある疑問への回答を行っていきます。
今後住宅ローンを検討する方はもちろん、今住宅ローンを利用している人にも役に立つ情報を紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
住宅ローンを利用する前にしっかりと確認しておくべき項目
住宅ローンを考えるうえで、細かい内容などよりも前にしっかりと確認しておくべき項目がいくつか存在します。
どれも当たり前の項目ではありますが、後々後悔しないようここで確りと確認しておきましょう!
至極当然のことではありますが、実際にローンを利用する人の中でもこれをしっかりと行っていない人の多いこと多いこと・・・
ローンというものは当然ですが借りて終わりではなく返さなくてはなりません!
将来的に返済が滞って家を手放さなくてはならない・・・なんてことにならないように、しっかりと自分の現状を把握しておきましょう!

最低限以下の項目を把握しておくとローン審査に役立ちます!
① 年収 ⇒ 個人の年収、世帯の年収を把握しておくことでおおよその借入可能額が解ります。
② 現在の借入状況 ⇒ 既存の借入金額により、住宅ローン借入可能額が変化します。
③ 毎月の返済状況 ⇒ 借入がある場合、毎月いくら支払っているかがローン審査に大きく影響を与えます。
④ 毎月の収支 ⇒ ここで収支が+となっていない場合ローン利用は困難です。+部分を可能な限り増やすことが借入金額アップにつながります。
⑤ 信用情報の確認 ⇒ ローン審査では個人信用情報というものが確認されます。過去に延滞や債務整理などの金融事故を起こしてしまった場合、信用情報に登録がされているため借入がほぼ不可能となります。
⑥ 健康状態の確認 ⇒ 住宅ローンを利用するためには団体信用生命保険への加入がほぼ必須となります。健康状態によってはこの団体信用生命保険に加入することができないので要注意です。
この中でも⑤の信用情報に関しては即座にリカバリーすることはほぼ不可能ですので、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

経験上、ローンに落ちるケースで特に多いのが⑤と⑥です。
⑥に関しては金融機関によっては団体信用生命保険に加入しなくとも住宅ローンを利用できるケースもありますが、かなり金利が上がってしまうのであまりお勧めはできません。
以降では各項目について少し細かく解説していきます。
項目を確認することでわかること

① 住宅ローンの審査に通過できるかがわかる
住宅ローンは当然ながら毎月の収入から決められた返済額を返済することが必要となりますので、住宅ローンの借入金額はおのずと毎月の返済額を考慮して決定されます。
住宅ローンの借入可否を決定する際に用いられるのが【返済比率】という数値です。
これはざっくり言えば年収の何割を返済に充てているかという数値であり、金融機関ではおおむね40%以下が住宅ローン借入限度のボーダーとされています。
※返済比率が40%以下でも他の条件で審査落ちとなる可能性がありますのでご注意ください。
返済比率は【返済比率=年間返済額÷年収】の式で算出可能です。

例えば
① 年収400万円の方で年間返済額が80万円あったとします、この場合の返済比率は・・・
80万円÷400万円=20%となりますので、まだまだ返済の余力があると判断できますね。 ⇒ 審査通過
② 同じく年収400万円の方で年間返済額200万円だったとするとどうでしょう?
200万円÷400万円=50%となり、返済額が多すぎて新規借り入れは困難と判断されてしまいます。 ⇒ 審査落ち
☟の①③を把握することで自分の返済比率を算出することが可能です。
① 年収 ⇒ 個人の年収、世帯の年収を把握しておくことでおおよその借入可能額が解ります。
② 現在の借入状況 ⇒ 既存の借入金額により、住宅ローン借入可能額が変化します。
③ 毎月の返済状況 ⇒ 借入がある場合、毎月いくら支払っているかがローン審査に大きく影響を与えます。
④ 毎月の収支 ⇒ ここで収支が+となっていない場合ローン利用は困難です。+部分を可能な限り増やすことが借入金額アップにつながります。
⑤ 信用情報の確認 ⇒ ローン審査では個人信用情報というものが確認されます。過去に延滞や債務整理などの金融事故を起こしてしまった場合、信用情報に登録がされているため借入がほぼ不可能となります。
⑥ 健康状態の確認 ⇒ 住宅ローンを利用するためには団体信用生命保険への加入がほぼ必須となります。健康状態によってはこの団体信用生命保険に加入することができないので要注意です。
② 借入可能額がわかる
①で述べたように住宅ローンの可否を決める指標として【返済比率】が存在します。
この返済比率が40%以下であれば審査通過の可能性が上がるということは、この40%となる金額が借入限度額といえます。
住宅ローンの借り入れ年数で多いのは35年となりますのでこれをベースに考えると・・・

年収400万円の方が返済比率40%となるのは年間返済金額が160万円の場合となりますので、これが35年と考えれば借入限度額は5600万円となりますね。
※400万円×40%=160万円 160万円×35=5,600万円
これはあくまでも金利や諸経費を考慮しない場合の数値となりますので、現実的にはここからもう少し少ない金額5,000万円程度が限度額となるかと思います。
とはいってもこれはあくまでも審査でボーダーになる数値であり、実際に返済が問題なく行える金額ではないことに注意が必要です。
5,600万円の借入の場合ですと毎月返済額は13~14万円です。
これが35年続くとなるとどうでしょう?
ただでさえ徐々に物価が上昇している昨今、この返済額を35年継続するだけでもかなりキツイと思いますし、今後子供が生まれるとさらに生活を圧迫してしまう懸念が残りますね・・・

個人的にはこの返済比率は最低でも25%以下に収めるのが望ましいと考えておりますので、年収400万円の方であれば3,500万円程度がお勧めの借入限度額となります。
毎月返済額は8~9万ですので、多少は生活資金の余力が残るのではないでしょうか?
※400万円×25%=100万円 100万円×35年=3,500万円
③ 借入後の予想が立てられる
自分の経済状況をしっかりと把握し、住宅ローンの借入額、毎月の返済額のおおよその予想を立てることで、今後30年以上続くであろう返済期間についてある程度の計画を立てることができます。
前項では年収400万円の方のケースを紹介しました☟
ケース①
借入限度の返済比率40%まで借入した場合 : 借入額 5,600万円
住宅ローン借り入れ年数 : 35年
毎月返済額 : 13~14万円
ケース②
生活に余裕を持つ返済比率25%で借入した場合 : 借入額 3,500万円
住宅ローン借り入れ年数 : 35年
毎月返済額 : 8~9万円
どちらも金利を考慮せず、借入年数を35年と設定したシミュレーションではありますが、いかがでしょうか?
特に何も考えずに銀行に言われるがままローンを組んでしまうとかなりの高確率でケース①に近いローンを組むことになるかと思います。
自分の年収でこんなに借入できるなら、折角だしMAXまで借り入れちゃおう!・・・なんてケースはとても多いです。
そして何も考えずに借りてしまったため毎月の返済が徐々に苦しくなり、最終的には延滞、返済不履行、自宅売却といった最悪のケースとなる場合もあります。

そんなことになる訳ない!
銀行員ならそんなヤバい契約結ばせるわけない!
・・・そんな風に考える人も多いかもしれませんが、彼らも所詮サラリーマンです。
残念ながらノルマをこなすために最大限の金額を貸すのはよくあることなのです。
だからこそ、ローンを利用する前にしっかりと自分の状況を把握しておくことで、無理のない②のケースに近いを選択できるよう、準備しておくことが重要です!
各項目の確認方法
ここでは先に説明した各項目を簡単に調べる方法を解説いたします!
今まで調べたこともない項目も多いかもしれませんが、ほとんどの項目は簡単に調べることが可能です。
☟を参考にしていただき、時間に余裕のある時にでも確認してみましょう!
① 年収 ⇒ 会社員であれば【源泉徴収票】、個人事業主などであれば確定申告を確認すればすぐにわかります。
なお、ここでいう年収は手取り額ではなく総支給額となりますのでご注意ください!
② 現在の借入状況 ⇒ 借入先のHPや返済計画書などでほとんど確認可能かと思われます。
なお、ここでいう借入とは自動車やカードローンなど一般的なローンはもちろん、クレジットカードのリボ払いや分割払いも含まれますので、思い当たるものがあればすべてしっかりと確認しておきましょう!
③ 毎月の返済状況 ⇒ 毎月の返済があるのであればそれを集計するだけで充分です。
④ 毎月の収支 ⇒ 会社員であれば企業から受け取る給与となります。副業など他の収入がある場合はそれも含んだ金額でお考え下さい。
⑤ 信用情報の確認 ⇒ 信用情報を取り扱う団体が存在しますので、そちらで確認すれば簡単に把握することが可能です。
例) 株式会社シー・アイ・シー 日本信用情報機構(JICC)
多少とはいえお金がかかる事なので全く心配がない場合はわざわざ調べる必要はありませんが、少しでも怪しいと思う場合はしっかりと信用情報照会を行うことをお勧めします。
⑥ 健康状態の確認 ⇒ 自分の健康状態は自分が一番よくわかるかと思います。大病を患う前にローン審査を行うのはとても重要です!
なお、あまりお勧めはしませんが体調が悪くても医師から診断されていなければ病名はつかないので、場合によっては団信に加入できる可能性も・・・
ただし、万が一の際に遡って契約無効となる危険性もあるのでご注意を!
よくある質問

ここまでで住宅ローン利用前に最低限行うべき行動はなんとなくわかって頂けたかと思います。
ここからは、実際にローン審査を申し込む方から受ける質問で特に多いものをQ&A形式で紹介しますので、参考にしていただけると幸いです。
① 自分でいくらぐらい借りれるの?
これ物凄くざっくりとした質問で困るのですが、とても多い質問です・・・
この記事を読んでいただけた皆さんであればおおよそ予想つくかもしれませんが、借入限度額は人それぞれなので

A
年収と既存の借り入れ状況によって大きく異なります。ケースバイケースですが返済比率30%前後になるように考えるとおおよその金額が解ると思います。
ふわっとした回答ですが、ふわっとした質問ですとこのように回答もふわっとしてしまいます・・・
② ローン審査を出す前にやっておくことはありますか?
これも審査前に心配事を無くしたいからか、結構な方から質問されます。
これには明確な答えあり・・・

A
債務があるばあいは債務を完済、もしくは減少させましょう。
使っていないカードローンのカードやクレジットカードを複数枚もっている場合は可能な限り解約し枚数を減らしてください。
こちらとなります。
債務(借金)があるなら完済もしくは減らすというのは何となく思いつくかもしれませんが、使っていないカードの解約はあまり考えないのではないでしょうか?
実はカードローンのカードやクレジットカードのキャッシング枠といったものが多いと審査に大きな影響を与えるのです!
理由はいくつかあったりもするのですが、簡単に言えば【これらの枠を持っているといつでも簡単に新しい借り入れが出来てしまう=借入後多くなりすぎて返済が滞る危険性がある】と判断されるためです。
詳しくは☟で解説しているので是非ご確認ください!
③ ボーナス併用払いと毎月払いのみのどちらがいいですか?
これも結構多い質問です。
そのひとの経済状況、ボーナスで受け取る金額にもよりますが個人的には・・・

A
毎月返済の金額が無理なく払える範囲であれば、【毎月払い】のみのほうがいいです。
というのもボーナスというのは法的にも支払いが確約されているものではないからです。
今現在ボーナスをもらい続けている人からすれば貰えないわけがないと考えるかもしれませんが、昨今ボーナスの減額や支給停止なんて珍しくもありません。
現在の職場ではボーナスがあったとしても10年後20年後は?もし転職した場合転職先では支給されると断言できますか?
もしボーナスの支給があったとしても金額は?支給月はどうでしょう?
ちょっと考えるだけで問題点が出てきます。
その点毎月支払いのみにしておけば上記の問題点はほぼ関係ないでしょうし、給与支給日が変わったとしても給与が支給されない月はないでしょう(特殊な場合を除いて)。
もちろん毎月の支払額を抑え余裕資金を増やし、効率的な資産形成を行いたいなどのしっかりとした理由があるボーナス併用払い選択であれば決して悪いことだとは思いません。
ここで私が反対するのは【何となく毎月支払い金額を減らしたい】だとか【毎月返済額が厳しいからボーナス併用にして少しでも返済額を減らいしたい】といった後ろ向きな理由でボーナス併用を選択することです。
後ろ向きな理由でボーナス併用を選択するのであればそもそも身の丈に合っていない借入ですので借入金額を下げるべきだと考えます!
※これは個人的な意見であり、ボーナスが極端に多い特殊な職種の方を除くケースでのお話です。あくまで参考までに・・・
④ 団体信用生命保険ってどれを選べばいいですか?
これも各ご家庭によるかと。
医療保険や生命保険を重視するご家庭であれば手厚くするといいかと思います。
国民健康保険や社会保険以外は不要と考えるのであれば最低限でもいいでしょう。

A
ご自分が今後の健康状態にどれくらい不安があるかで検討するといいかと思います。
ただし、保証が大きくなれば大きくなるほど借入金利も上昇するのでご注意ください。
一般的に住宅ローンの団体信用生命保険料はローン金利に含まれています。
そのため補償内容を充実させればさせるほど金利が上昇してしまい、返済額が増加することとなります。
最低でも三大疾病(死亡・がん・脳卒中/心筋梗塞)は保証されるものに加入すべきでしょうが、それ以上の保証(就労不能保証など)は各個人の判断によるかと思います。
⑤ 団体信用生命保険に入ったから別に入ってる生命保険は解約しちゃっていいよね?
これ本気でそう考える人が多く、かなり危険です!
団体信用生命保険は死亡時に住宅ローンの残高が0になると認識されている方がほとんどだと思いますが、この認識に間違いはありません。
ただし、重要なのは住宅ローンの残高のみ保証されるという点です。

A
団体信用生命保険は万が一の際に遺族が家に住み続けるために住宅ローンを完済させるための保険です。
遺族の生活は全く保障できませんので、遺族の生活費等を考慮するのであれば生命保険を解約してはいけません!
あくまでも団体信用生命保険は住宅ローン完済のための保険です。
遺族の生活をサポートするための生命保険とは完全に意味合いが違いますので、生命保険という名前で勘違いしないよう重々注意してください!
最後に

以上が住宅ローン利用前に確実に抑えておくべき項目とよくある質問への回答となります。
人生における買い物の中でほぼ確実に最高額となる家。
その代金を借りる住宅ローンはとても重要です。
後から公開すると取り返しのつかないことになりますので、事前に抑えておくべきポイントはしっかりと把握しておきましょう!
① 年収 ⇒ 個人の年収、世帯の年収を把握しておくことでおおよその借入可能額が解ります。
② 現在の借入状況 ⇒ 既存の借入金額により、住宅ローン借入可能額が変化します。
③ 毎月の返済状況 ⇒ 借入がある場合、毎月いくら支払っているかがローン審査に大きく影響を与えます。
④ 毎月の収支 ⇒ ここで収支が+となっていない場合ローン利用は困難です。+部分を可能な限り増やすことが借入金額アップにつながります。
⑤ 信用情報の確認 ⇒ ローン審査では個人信用情報というものが確認されます。過去に延滞や債務整理などの金融事故を起こしてしまった場合、信用情報に登録がされているため借入がほぼ不可能となります。
⑥ 健康状態の確認 ⇒ 住宅ローンを利用するためには団体信用生命保険への加入がほぼ必須となります。健康状態によってはこの団体信用生命保険に加入することができないので要注意です。