この記事で解ること
ライフプラン = 将来的に起こる可能性のあるイベントを想定した計画
ライフプランとは将来的に起こる可能性のあるイベント【結婚、出産、住宅購入など】を想定し作成した計画の事です。
事前にライフプランを作成する事で将来的に発生するであろう教育費や住宅購入費、老後資金といった大きな支出に備えることが可能です。
本記事では殆どの方が経験する大きなライフイベントやそれに伴う出費について解説するとともに、ライフプランの作成手順も紹介します。
全て確認する事でスムーズかつ有用なライフプラン作成が可能になりますので是非ご覧ください!
ライフプランとは?
ライフプランとは人生においてどのように生きていくかを計画したものです。
ライフプランを事前に作成する事で、例えば結婚や出産、住宅の購入や子供の進学などのイベント発生時にその時必要となる資金をあらかじめ予測する事が可能となります。
ライフプランを作成する一番のメリットは、重要イベントの発生に備え事前に余裕をもって必要な資金を準備することが出来る点です。
そのためライフプラン作成する際は具体的な計画を形にすることが重要ですのでご注意ください!
ライフプランニングとは?
ライフプランニングとは簡単にいえば☟
ライフプランニング = ライフプランを作る ライフプランに沿って実行する
具体的には【●歳までに家を建てる】【車を●年で買い替える】などの計画を立てた際に、それぞれ必要な資金を明確にし、どのようにその資金を調達するかなどの対策をたてる等の行動が該当します。
主なライフイベント
ライフプランを作成するにあたって主に想定されるものは☟の通りです。
・一人暮らし
・就職(転職)
・結婚
・出産育児
・住宅購入
・車両購入(入替)
・子の進学
・定年退職
人によって経験する項目や時期、必要となる金額は異なりますが、あらかじめ上記のような起こりうるライフイベントを考えておくことで、必要な時に資金が不足するといった事態を予防することが出来ます。
また、目的をしっかりさせることで、貯蓄に対するモチベーションを維持する事にもつながるでしょう。
人生の3大出費とは?
人生の中で発生する可能性が大きく、出費の金額も大きくなる以下の出費を人生の3大出費と呼びます。
① 教育費用
教育費用には子の進学にかかる入学金や授業料、塾などの習い事の費用が該当します。
これらは公立か私立か?大学まで行くのか?など各家庭によって大きく異なりますが、幼稚園入園~高校卒業までの15年間にかかる費用、大学進学にかかる費用をピックアップした目安は☟の通りです。
・幼稚園~高校卒業(全て公立) : 約600万円
・私立大学 : 約500万円
これらはあくまで目安であり、習い事の量や専攻分野(文系、理系、医学など)で大きく変化しますのでご注意ください。
② 住宅費用
住宅費用は物件購入費や賃貸家賃、リフォーム費用など住宅にかかる費用全般を指します。
物件購入の場合は殆どのケースで数千万円の資金が必要となります。
☟は国土交通省が作成した【住宅市場動向調査報告書】を参考にしたおよその金額です。あくまで都市部での金額となりますので、郊外の方はこれよりも少ない金額で計画すると良いでしょう。
・土地+新築購入 : 約5,000万円
・戸建て住宅 : 約4,000万円
・集合住宅(マンション等) : 約5,200万円
・中古戸建住宅 : 約3,000万円
・中古集合住宅(マンション等) : 約3,000万円
③ 老後費用
老後費用とは老後にかかる生活費、娯楽費、医療費などを賄うための費用です。
総務省が作成している【家計調査年報】では、65歳以上の無職世帯における月の消費支出は☟の通りとされています。
・65歳以上の無職夫婦世帯 : 約24万円
・65歳以上の無職単体世帯 : 約14万円
生活水準や生活環境(都市部近郊、地方など) により異なりますが、この数値をもとに65~85歳までに必要な費用を算出すると・・・
・65歳以上の無職夫婦世帯 : 約5,760万円
・65歳以上の無職単体世帯 : 約3,480万円
これらはあくまでも消費金額から算出したものですので最低限必要とされる金額です。
そのためゆとりある老後を送りたい場合はさらに資金が必要となりますので注意が必要です。
年金受給額が夫婦合わせて月20万円だとした場合ですと4,800万円の収入となります。
5,760万円-4,800万円=△960万円となりますので、最低限1,000万円程度は準備する必要がありそうですね!
とは言っても、これらは都市部の平均値から算出した費用ですし人によって年金額も異なりますのであくまで参考程度とお考え下さい。
自分に見合ったライフプラン作成が重要です!
お金を貯めるべきタイミングとは?
ここまででおおよその必要な資金は解ったかと思います。
次に考えるべきはその資金をどのように用意するのか?ということです。
人生においてお金をためやすいタイミングは3回あるとされています。
個々の状況によって多少のずれはあるでしょうが、この3回のタイミングを逃さないように意識してみてはいかがでしょうか?
① 独身期間
社会人として就職してから結婚するまでの間は、節約を意識する事で費用を抑えやすい時期です。
学生の時とは打って変わり、自由に使えるお金が大きく増え、それに伴い支出も増加しやすい時期ではありますが、ここで貯められるかは今後の人生に大きな影響を与えます!
かくいう私は結婚前にそれなりに使っていたので中々貯めることが出来ませんでした・・・
もしも、ここで貯めることに失敗していても以降でまき直しも十分可能です!
これ以降のタイミングを逃さないように頑張りましょう!
② 共働き期間
昨今共働きの家庭は増加傾向にあります。
一人暮らしから二人暮らしに変わったとしても食費などの諸費用が2倍になる事は殆どありません。
結婚を機に住居費が増大しない限りは、子供が生まれるまでの間はかなりお金をためやすい時期となります。
生活水準によりますが、理想はどちらか片方の収入を全て貯蓄に回す事です。
最低でも3~5割程度は貯蓄に回せるように家計を見直していきましょう!
③ 子供の独立後期間
子供が就職し独立した後は教育費用はもちろん生活費用も大きく減少するタイミングですので、支出を減少させ余剰分を貯蓄にまわす大チャンスです。
この頃には多くのご家庭で退職時期が近付いているでしょうから、資産状況を確認したうえで老後について確りと話し合い計画的に貯蓄を開始しましょう。
子供の独立時期にいきなり計画しても中々うまくいきません。
お金の話をタブーとせず、日頃から夫婦で情報や意識を共有しておくことが重要です。
ライフプランを作成するメリットとは?
ここまでの項目を抑えておけばライフプランを作成する下地は十分です。
ですがあえてここでライフプランにメリットを確りと確認することで、モチベーションを高め、目的を明確にしたライフプランを作成できるようにしましょう!
① 大きな出費に備える
ライフプランを作成するうえで重要なのは【大きな出費に備えられる】という点です。
【いつ】【何のために】【幾ら必要なのか?】という項目を事前に想定する事で、必要となった時に無理なく資金を用意する事が可能となります。
計画通りに資金を準備する事が出来れば自分のライフプランを実現する事が可能です!
新しい車を買いたかったけどお金がない!
なんて悲しいことにならない為にも、事前に計画を立て、それに向けた資金調達に取り組むことが重要です!
② 家計の見直しが可能
ライフプランを実現するためには計画的な貯蓄が必要不可欠です。
貯蓄を行う為には食費や光熱費、保険料、携帯料金など日々の支出をみなおす必要がありますので、必然的に無駄な費用が洗い出されます。
この無駄を早急にやめる事で節約につなげる事が可能です!
特に保険料や携帯料金などはなんとなく払い続けているケースが数多くあります。
支出を見直すチャンスはそう多くないので、確りと確認するようにしましょう。
③ 不測の事態に備える
人生80年、長い人生の中では病気やけがなどといった不測の事態が起こる可能性があります。
そういった万一の事態を想定し、予備の資金を用意しておける点もライフプラン作成の重要なメリットです。
ライフプランを作成するデメリットとは?
次にライフプランを作成することによるデメリットをご紹介します。
作成の手間と時間がかかる
ライフプランを作成すること自体にはデメリットはありませんが、強いて挙げるとすれば手間と時間がかかるという点です。
中途半端なライフプランを作成した場合は手間と時間の無駄になってしまう危険性はありますが、ライフプランを作成しない場合は計画性のない無駄な支出を重ねたり、経済的な不安を漠然と抱えてしまうといった恐れがあります。
ライフプランを作成するメリットと手間や時間を天秤にかけた時にどちらを重視するかは個人の考え方でしょうが、私的にはライフプランを作成するほうがお勧めです。
ライフプランの作成例
ライフプランを作成する際に必要な情報は☟の通りです。
・自分の年齢
・家族構成と年齢
・居住状況(持ち家、賃貸など)
・貯蓄状況
・資産状況
・健康状態
・想定されるイベント(結婚、車両購入、旅行など)
これらを考慮し、試しに以下の設定でライフプランを作成してみましょう。
・自分の年齢 ⇒ 30歳
・家族構成と年齢 ⇒ 妻 30歳 子 0歳
・居住状況(持ち家、賃貸など) ⇒ 35歳で購入
・貯蓄状況 ⇒ 100万円
・資産状況 ⇒ 貯蓄のみ
・健康状態 ⇒ 問題なし
・想定されるイベント(結婚、車両購入、旅行など) ⇒ 車両入替 子の進学
例えば子の出産から大学進学までのライフプランです。
子の出産を機に車両購入、保育園への入園がイベントとして発生します
年 | 父 | 母 | 子 | イベント | 想定費用 |
2024年 | 30歳 | 30歳 | 0歳 | 車両購入 | 200万円 |
2025年 | 31歳 | 31歳 | 1歳 | 保育園入園 | 保育料 6万円/月 |
2026年 | 32歳 | 32歳 | 2歳 | 保育料 5万円/月 |
保育園によっては入園児の準備費用が発生しますが今回は省略しています。
保育料は地域や親の年収によっても上下しますが、3歳以降は保育料金が無料となるケースで想定しています。
2029年に住宅をフルローンで購入します。
2030年に子が小学校入学です
年 | 父 | 母 | 子 | イベント | 想定費用 |
2029年 | 35歳 | 35歳 | 5歳 | 住宅購入 | 5,000万円 返済13万円/月 |
2030年 | 36歳 | 36歳 | 6歳 | 小学校入学 | 入学準備 5万円 |
2034年には車両の入替
2036年に中学校入学
年 | 父 | 母 | 子 | イベント | 想定費用 |
2034年 | 40歳 | 40歳 | 10歳 | 車両購入 | 300万円 |
2035年 | 41歳 | 41歳 | 11歳 | ||
2036年 | 42歳 | 42歳 | 12歳 | 公立中学校入学 | 入学準備 10万円 |
2037年 | 43歳 | 43歳 | 13歳 | ||
2038年 | 44歳 | 44歳 | 14歳 | ||
2039年 | 45歳 | 45歳 | 15歳 | 公立高校入学 | 入学準備 15万円 |
2040年 | 46歳 | 46歳 | 16歳 | ||
2041年 | 47歳 | 47歳 | 17歳 | ||
2042年 | 48歳 | 48歳 | 18歳 | 私立大学入学 | 入学準備 100万円 |
子の部活動や学校行事によって更に費用は嵩むでしょうが、おおまかな項目のみを列挙するとこのようなイメージです。
このように流れを追って、一つ一つのライフイベントを年表に当てはめていく事で、あらかじめ必要な資金を把握することが可能となります。
ライフプランの作成手順
① お金が必要となるイベントを洗い出す
まずは今後発生することが想定されるイベントを洗い出すことが重要です。
また、この際は自分のイベントだけでなく家族全員のライフイベントを出すようにしましょう。
特に子のいる家庭であれば教育費を把握する必要がありますので、それぞれの進学時期やおおよそかかる費用の想定はとても重要です!
② ライフイベントの発生時期を把握する
ライフイベントを洗い出した所で、それらの発生時期についてもしっかりと把握する事が重要です。
自分が何歳の時に起きるイベントで、何年後に起こるイベントなのかを明確にすることで資金計画をスムーズに進めることが出来ます。
車両購入や入替時期などは大きく時期がずれることもあるでしょうが、取り敢えずの時期で構いませんので確りと設定しておきましょう!
準備しておくことが重要です。
③ ライフイベントで発生する費用の目安を算出する
それぞれのイベントで発生する目安費用を設定しておくことはとても重要です。
実際の購入金額と差が出ることは当然ですが、ある程度の目安金額を設定することで身の丈に合わない購入を防止する事が可能です。
特に住宅購入などはかなりの高額となりますので、金銭感覚がマヒしてしまい想定以上の金額で購入してしまうケースが数多くありますので要注意です!
まとめ
ライフプランとは将来的に起こる可能性のあるイベント【結婚、出産、住宅購入など】を想定し作成した計画の事です。
事前に確りと備えておくことで、自分の望んだ人生を送る事が出来る可能性は高まります。
ライフプランを作成する理由
・将来的に発生が予想される大きな出費を把握し、備えることが出来る!
・その過程で家計の見直しを図ることが出来る!
・不測の事態に備えることが出来る!
ライフプランを作成すると、想定されるイベントを確りと把握し、それらに対応する資金を用意する事が可能です。
まずは自分の人生のなかで資金が必要となるライフイベントを確りと洗い出すとともに、それらの発生時期や費用の目安を出し、資金確保のための計画を立てましょう!