事前審査対策はこちら
住宅ローン審査の基本
住宅ローンの利用時には各金融機関で審査が行われます。
そこでこの記事では私が銀行員時代に住宅ローン業務を行う上で学んだ、きちんと抑えておきたい基本的なポイントや審査に出す前の注意点、審査に落ちてしまった場合の改善策など、実践的な内容をお伝え致します。
住宅ローンを利用する上で避けては通れないのが各金融機関が行う住宅ローンの審査です。殆どの場合初めて経験される方が多いのではないでしょうか?
この項目で確りと予習し、審査通過を目指しましょう!
こちらも勉強になるので宜しければご一読ください。
事前審査と本審査
まず知っておきたいのが2種類の審査についてです。
【事前審査】 練習
物件や工事請負金額等、ある程度の費用が決まった時に金融機関が行う
【本審査】 本番
事前審査完了後に保証会社などが行う
先ずクリアする必要があるのがこの【事前審査】です。
ここでは申込者の収入や財産状況、物件の購入費用と返済の可否等が確認されます。
簡単に言うと申込者の【返済能力】と【信用力】がチェックされています。
事前審査に必要な書類は金融機関によって多少異なりますが、概ね以下の通りです。
1. 収入状況を証明する書類(源泉徴収票、確定申告書、決算書類など)
2. 印鑑
3. 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
4. 他借入状況の確認書類(自動車ローンの残高証明など)
5. 所定の申込用紙一式
以上の資料を元に、金融機関は完済時の年齢や、年収に占める住宅ローンの返済比率、勤め先の勤続年数や年収、申込者の健康状態などを確認します。
事前審査に関しては概ね2~3日で結果が出ますが、追加提出の書類など発生した場合はもう少し日数がかかりますので、申込は余裕を持って行う様にしましょう。
審査に通れば次は【本審査】が行われます。
こちらも同じように【返済能力】と【信用力】が調査されます。
事前審査に通った場合ですと殆どの方が問題なく通過されますが、中には【本審査】で落ちてしまうケースもありますので注意が必要です。
審査通過後に、特に気を付けるのは以下です。
① 延滞などの金融事故を起こさない!
② 高額な買い物を分割で購入しない!
③ 他のローンを利用しない!
事前審査の落とし穴
審査の工程だけを見ると簡単なように見えますが、実は申込者の状況によってはローン審査に落ちてしまうことは珍しくありません。
そこで私が銀行員の時代に実際にあった申込時の注意点をお伝えします。
まず最初の難関が金融機関の【事前審査】です。
実は銀行によって審査の方針が大きく変わっているので【この人なら確実に通る】といった解りやすい明確な基準は存在しません。
A銀行では審査に通ったが、B銀行では審査に落ちてしまったということが珍しくありません。
その為、多くの方々がやってしまいがちなのが
手当たり次第に金融機関の審査を行う
ということです。
どこの金融機関に出せば審査に通るか解らないし、とりあえずたくさん出しておこうと考えてしまいがちですが
これが大きな落とし穴となります。
審査回数は金融機関で把握できる
金融機関では審査の際に【個人信用情報】と呼ばれる個人の金融履歴を確認します。
この【個人信用情報】では審査に出すと審査を行ったというような履歴が付くのです。
そのため、手当たり次第に事前審査を行ってしまうと、【個人信用情報】を確認した金融機関から「この人は別の金融機関で審査に落ちたからうちに来たのでは?」と思われてしまい審査に通りづらくなってしますのです。
なので余程自分の信用情報に自身がある方以外は、お試しで審査を行ってみるというのはオススメ出来ません。
信用情報の確認方法
前項で複数の金融機関で審査を行うのは避けた方が良いと申し上げましたが、自分の信用情報を把握しておらず、心配だと思っている方も多いのでは無いでしょうか。
そんな場合は自分の個人信用情報を取り寄せてみるのが一番です。
日本ではCIC、KSC、JICCという個人信用情報センターが3箇所有ります。
可能であれば全てのセンターから取り寄せて過去の履歴をチェックしてみるのも良いでしょう。
意外と【携帯電話の支払遅延】や【DVDの延滞料金返済漏れ】など細かい傷があったりしますので、不安な方はよくよく確認した方が良いでしょう。
※余談ですが、銀行員時代によく【ブラックリスト】って有るのか?という質問を受けました。
率直に言って【ブラックリスト】と言う物は存在しません。(こちらのブラックリストは存在します(笑))
ただし、この記事にある【個人信用情報】には過去の延滞歴やカードや借入状況が掲載されますので、これがいわゆる【ブラックリスト】と言えるかもしれません。
この【個人信用情報】を元に金融機関は審査を行いますので、その過程で審査に落ちた方が【ブラックリスト】という言葉を使い始めたのかもしれませんね。
審査に有利な項目
しっかりと用意すると実は色々とやるべき事が覆い審査ですが、ここでは審査に有利になる項目をご紹介致します。
ここで述べるのはあくまで私の銀行員時代の経験や一般論ですので、100%確実とは言い切れませんが、実際に効果はあると思いますので確認して損は無いかと思います。
1. 公務員もしくは正社員である事
当然ですが正社員の方が審査には通りやすいです。
勿論フリーターや非正規雇用でも安定した収入があれば審査に通過することもあるでしょうが、総じて正社員よりもかなり厳しいと言わざるを得ません。
公務員は言わずもがな、まだまだ社会的な信用力は高いです。
2. 完済時の年齢が75歳未満
総じて若ければそれだけで今後の収入も多くなります。つまり返済能力が高いと言うことにも繋がりますので完済時の年齢が何歳なのかも確りと確認されます。
住宅ローンの申込は年齢とも相談する必要があります。
3. ローンの返済比率が35%未満
返済比率とは年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合です。
金融機関では毎月どの程度返済するのかと言った点も重視していますが、その返済額が年収の何割を占めているのかも注目されています。
例えば、毎月の返済額を高くするあまり返済比率が40%等となってしまった場合、万が一就労が不可能となった場合の補余力が無いと判断され、審査に通りづらくなります。
そのため、一般的には30%~35%が基準とされます
返済比率が高くならないようにするのは当然ですが、住宅ローンをお考えの際は実際の手取り額で、毎月いくらまでなら生活に支障なく返済できるのかを考える必要があります。
4.勤続年数が3年以上
これに関しては確実に3年以上勤務が必要とは言いませんが、短期間に転職を繰り返している場合、申込時の年収が今後も続くとは考えにくいと判断され審査に通らない場合があります。
1つの目安程度にお考え下さい。
5.年収が400万円以上
こちらも1つの目安程度にお考え頂きたいのですが、3で説明し他返済比率を考えると概ねこの程度の年収が必要となります。
6.クレジットカード、携帯電話料金の支払遅延
これだけに限りませんが、融資を行う上で期日までの支払を確りと行えているかというのは大変重要な項目になります。
数千円の支払が滞る方に数千万円の資金を融資することは難しいでしょう。
7.自己破産の経歴が無い
これも当然ですが自己破産を行った事のある方は情状酌量の余地があったとしても借入は困難でしょう。
8.他の高額借入がない
住宅ローン以外にも大きな借入があった場合、返済にあてられる資金が少なくなりますので、余程高収入の方以外は審査に通りづらくなります。
9.過去に大きな病気をしたことが無い
住宅ローンの契約時には【団体信用生命保険】とよばれるいわゆる生命保険への加入が原則となります。
よって過去に大きな病気にかかっている場合この生命保険への加入が出来ずに住宅ローンの利用が不可能となる場合があります。
10.クレジットカードやカードローンの融資枠を解約する
クレジットカードやカードローンは非常に便利な物ですが、金融機関によって借入と同列に考える(カードローンの新規借入、リボ払いなど)事もあります。
今後使用する可能性が無いクレジットカードやカードローンなどはこれを機に全て整理(解約)することをオススメ致します。
まとめ
① 住宅ローンには2種類の審査が存在する
② 事前審査突破を目標に
③ 手当たり次第に事前審査を行わない
④ 自身の信用情報を把握すること
⑤ 審査に有利な項目を抑える
以上が住宅ローンの審査を受ける上で重要な基本です。
数百万円~数千万円ととても高額なお金が動くことになるので、金融機関も確実に返済してくれる人にしか融資を行いたくないと考えるのは当然です。
少しでも自分の信用情報が怪しいと関したなら住宅ローンの審査前に確りと把握しておきましょう。
この記事を読まれた皆様が無事住宅ローンの審査に通過できれば幸いです。
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