住宅ローンの利用を考えている方から大く寄せられる質問に対して、理由と方法を丁寧に解説します。
今現在、若しくは今後住宅ローンで不明なことがある方は是非ご一読下さい!
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① 私の年収で借りられる?
まずは一番多い質問
【私の年収で借りられますか?】
あぁ~確かに一番気になるところではあるな。
自分の年収でローンの計画を立てられるのかがそもそも解らないよな!
そういった人も多いみたいでな。
ぶっちゃけケースバイケースだから断言は出来ない。
参考までに見てくれ。
主に金融機関が審査で判断する物として以下のものが上げられる。
金融機関の主な審査項目
① 債務者情報(年収、勤続年数、債務状況、信用情報など)
② 物件情報(物件面積、立地、築年数など)
③ 返済情報(借入年数、返済金額、資産状況など)
特に重要なのが赤文字部分だな。
質問の年収ってのは①の債務者情報に該当するぞ。
利用者もなんとなく感じていると思うが、この年収がローン可否に一番重要な数値となる。
まあ、当然だよな。
稼いでる人に沢山貸した方が安全だもんな。
その通り、銀行は回収が確実に行えるかを一番重要視しているから当然だな。
話が少しそれたが、年収からローンの利用額を算出する方法として【返済比率】から考える方法がある。
殆どの金融機関はこれを参考にしているから、かなり有効な判断基準だと思う。
返済比率?
聞いたことの無い言葉だけどどんなものなんだ?
意味は簡単だ。
【年収に占める年間返済額の割合】ということになる。
年間返済額÷年収で算出する事が出来て、金融機関によって評価は分かれるが、概ねこの数字が35%以下であれば融資可能と判断されることが多いぞ。
返済比率(年収に占める年間返済額の割合)
年間返済額÷年収=返済比率
35%以下が融資可能のボーダーライン(目安)
もしこれが40%だったら融資は不可能なのか?
う~ん、難しいところだな。
返済比率が大きいと言うことは借金が多いと言うこととイコールなんだが、必ずしも%が大きいからといって確実に審査に落ちるとは限らない。
金融機関との取引の多さや、勤務先、そもそもの年収の多さ次第では融資可能と判断される場合もあるんだ。
あくまで目安と思ってくれた方が良いな。
そっか、年収一億円の人で返済比率40%とだとしたら、まだ6,000万円自由に出来るお金があるって事だもんな。
そりゃ融資も検討可能だよな。
そこまでお金があればそもそも融資利用の可能性は低いだろうが、そういうことだな。
先ほど返済比率35%以下であれば審査のテーブルに載ると伝えたが、実際に返済を行う場合のイメージを見てみよう。
参考までに年収500万円の人で返済比率30%と35%の比較をしてみるぞ。
年収500万円
① 返済比率30%(年間返済額150万円)
1,500,000÷5,000,000=30%
年間返済額150万円=毎月返済額12万5千円
② 返済比率35%(年間返済額175万円)
1,750,000÷5,000,000=35%
返済額175万円=毎月返済額14万5千8百円
返済比率で算出した場合の毎月返済額に注目してくれ。
②の返済比率35%で毎月返済額が14万5千円程度、①返済比率30%で毎月返済額が12万5千円だ。
返済比率30%でも結構な額じゃないか?
そうだな。
年収500万円であればボーナス無しで計算すると毎月の手取りが大体30~35万円くらいかな。
手取り30万円とすると、毎月14万5千円を返済すると、自由に使えるお金は15万5千円程度だ。
半分程度しか残っていないじゃないか・・・
大雑把な計算なので、多少前後するとは思うが概ねこんなイメージで間違いない。
さて、ここで重要な言葉を伝えようと思う。
桜をみたら俺を思い出してくれないか?
うん、違うね
借りられる=返せるではないという言葉だ。
伝えたとおり、殆どの金融機関でローンのテーブルに乗るのは返済比率35%以下だ。
しかし、この例のように実際にその返済比率で生活が成り立つかどうかは別問題なんだ。
確かにな。返済比率35%でも半額くらい返済に持っていかれるとは思わなかったぜ。
例えば生活費が増加したり、急な出費が続いたら結構きつそうだな。
銀行がオッケーを出してくれるんだから、もっと余裕かと思ってたよ・・・
可能な限り住宅ローンを利用したいという気持ちはわかるが、この計算を見た人は軽々しくギリギリまで借り入れしないことをオススメするぞ。
毎月住宅ローンの返済でカツカツになっていると思わぬ出費が発生した時に対処できなくなる恐れがあるからな。
最後にこの項目のまとめだ。
・住宅ローンの審査は返済比率35%以下がボーダー
・借りられる=返せるでは無い
・自分の資産状況や生活状況に応じて借入額を検討
② 頭金を入れるべき?
「住宅ローンの利用額を少なくする為に自己資金●百万円を頭金に考えています。」
というような質問も多いな。
前回の質問と一部反対の応えとなる部分もある。
あくまでケースバイケースと言うことを改めて了承してくれ。
ここでは住宅ローンに頭金は必要かを解説するぞ。
そりゃ、借りる金額は少ない方が良いし、入れた方が良いんじゃないのか?
金利ももったいないし・・・
うん、その考えも正しいぞ。
この質問に対する回答は少しずるいが状況によるというのが答えだ。
どういうことだってばよ?
大きな理由としては住宅ローンが超低金利である事が上げられるな。
今の住宅ローン金利が何%か知っているか?
自動車が3%前後だったっけ?
なら2%位?
固定金利の期間にもよるが、住宅ローンの金利で多いのは0.5~1%程度だ。
うわっ、めちゃくちゃ低いな!
金利1%で3,000万円借りても年間30万円程度しか利息が発生しないのか。
厳密には毎月返済が発生するから、実際の年間利息は30万円よりも少なくなるぞ。
だからこそ、私は頭金にまわせる余裕資金があるならば、住宅ローンは満額借入を行った方が良いと考えている。
満額借入を行ったとして、余ったお金はどうするんだ?
運用だよ、まりさ君
頭金に投入する予定だった●百万円を投資に回して運用した方が、最終的に利益を見込める。
試しに年間2%で運用できた場合を計算してみよう。
頭金での運用例 住宅ローン3,000万円 金利1% 頭金500万円
① 全額借入時の住宅ローンの金利 30万円
② 頭金導入後の住宅ローン金利 25万円(2,500万円×1%)
③ 頭金を年2%で運用した場合の利益 10万円(500万円×2%)
住宅ローン満額の金利-運用益2%(①-③)の場合では、金利30万円から利益10万円を控除して、最終的に支払う金額は20万円だが、
頭金導入後の住宅ローン金利(②)での支払総額は25万円となる。
うんうん、なるほど~
・・・つまり?
頭金500万円は住宅ローンの減額に充てるより、運用した方が最終的な利益が5万円多いと言うことになるな。
まじか!運用って凄い!!
・・・あ、でも待てよ、運用がうまくいかなかった場合は?
鋭いな。
そう、これはあくまで運用がうまくいったケースでの考え方だ。
そのため運用がうまくいかなかった場合は、単純に損失が発生することになるな。
な~んだ。
じゃあ、これが活用出来るのは上手に運用を行える人だけじゃ無いか・・・
私には縁が無かったようだ。
・・・と思っていたのか?
だにいぃ?
住宅ローン利用者には住宅ローン控除という制度がある事は知っているかな?
詳しい説明はここでは行わないが、ざっくり説明すると【住宅ローン利用者は住宅ローンの残高に応じて減税が受けられる】という制度だ。
ほう・・・つまり?
住宅ローンを借りていれば、年末にお金が戻ってくると言うことだよ!!!
な、何だってぇ~~~!!!
2022年以降は0.7%控除となってしまったが、それでも住宅ローンを利用しているだけで年間0.7%の税金が戻ってくると言うことは、実質0.7%で運用しているという解釈も可能だな。
即ち・・・
住宅ローンで年間0.7%の運用が可能と言うことだ!!!
あわわわわわ・・・・
つまりもし住宅ローンを0.5%で借り入れていれば、実質借りているのに0.2%儲かっている状態になるんだ。
これを利ザヤをとるというぞ。
住宅ローンて使えば儲かる商品だったんですね。
わたしシラナカタヨ
動揺しているな。
まあ、住宅の種類やローンの残高、借主の年収によって多少上下することも有るのでそこだけは気をつけて欲しい。
あと住宅ローン控除は受けられる期間や、必要な住宅ローンの残債金額も決められているので注意してくれ。
・住宅ローン控除は2022年以降0.7%の控除に変更
・住宅ローンの金利が0.7%以下であれば借入で利益発生(利ザヤ)
一昔前なら住宅ローンの金利はもう少し高かったし、運用も今程浸透していなかったので、ローンは可能な限り少なくしろという考え方が一般的だった。
親世代なら同じ事を言うんだろうし、昔の人と考え方にズレが生まれやすいな。
少しややこしくなってしまったが、ようするに運用の利益2%が達成できなかったとしても、金利0.7%以下の住宅ローンであればほぼ確実に利益を見込めると言うことだな。
ほえ~・・・知らなかったなあ~
このため私は満額での住宅ローン利用をお勧めするぞ。
ただし、前回説明した返済比率の兼ね合いや、可能な限り借金は少なくしたいという考え方も間違いでは無い。
ただし、頭金にお金を使ったせいで万が一の出費に対応できないと言うことは絶対にあってはならない!
最終的には自分のやりたいようにするのが一番だ。
あくまで参考までに知っておいてくれ。
・頭金を入れるかの判断は自分で行うこと。
・住宅ローンをある種の運用商品だと考えること。
・今後の出費が予想される場合、頭金は貯蓄か運用にまわすことを検討すること。
最後に
このように住宅ローンに限らず、ローンの利用について色々と疑問に思っている人は多いようなので、今後も少しずつ個別に回答していきたいと思っている。
もし個別に質問したい案件があれば気軽に連絡をしてくれ。
今まで通りの勉強会も継続していく予定なので、そちらも併せて宜しくなんだぜ!
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最後に1つお知らせだ。
解らないことはプロに聞くのもオススメだからこちらの利用も検討してみてくれ!