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ローンを知りましょう
一部の高収入世帯を除きほぼすべての人が利用するであろうローンですが、仕組みや注意点について殆ど知らないまま利用している人も多いのではないでしょうか?
ここでは10の項目に分けて仕組みや注意点について解説していきます。
① ローンとは?
ローンとは借金をして資金を借り入れることを指します。
借りて(借りる側)は一定の期間内で借りたお金を返済し、その間に利息や手数料を支払います。
ローンは銀行や金融機関から提供される場合が一般的です。
消費者金融などからの借入もローンですね。
② ローン利用前に注意する事
1. 返済能力
自分の収入や支出を理解、評価し、実際に返済が可能な金額を計算しておく必要があります。
自分もしくは周囲の人に金融機関でローンの申し込みを行う際などに【思っていたよりも借りられた】という経験をしたことがある人はいないでしょうか?
金融機関は資金を貸し出す事で利益を上げる企業ですので、貸せる人には貸せるだけ貸したいと考えていることが原因です。
しかしながら、審査結果に気分をよくし、自分の実態に見合わない高額な借入を行ったせいで、後々返済に苦労するケースも散見されます。
あくまでも金融機関の貸せる額(借入上限額)は返せる額ではないという事をしっかり理解した上で、借入を行う事が重要です。
2. 金利
ローンを利用すると必ず発生するのが金利です。
借入を行っている最中は常に金利が発生しますので、返済総額にとても大きな影響を与えます。
金利水準が高いのか低いのか?固定金利なのか変動金なのか?
少々面倒かもしれませんがここを確認するだけで返済総額が百万単位で変化する事もざらです。
ローン利用前には確りと確認するようにしましょう。
3.返済期間
返済期間=借入期間のことです。
ローンの種類ごとにおおよその返済期間は決まっていますが、自分の経済状況に応じて確りと選択する事が重要です。
一般的に返済期間が長いほど毎月の返済額が小さくなりますが、その分利息の支払額が増加しますので、最終的な総支払額は増加してしまいます。
逆に返済期限を短くすれば毎月の返済額は増加しますが、利息の支払額は減少し、最終的な総支払額は少なく済みます。
単純に総支払額を少なく済ますために返済期限を短くする方も一定数いらっしゃいますが、毎月の返済額が上昇すると、延滞などの金融事故を起こしてしまう危険性も上昇するので、注意が必要です。
重要なのは自分の経済状況を確りと把握したうえで返済期限を決定する事です。
【毎月これくらいなら余裕で支払える】と思える額になるように調整するといいでしょう。
資金に余裕がありそうなら後から繰り上げ返済するのも有効です。
4.担保
一部のローンには担保が必要となります。
一般の人が関係するものとしては住宅ローンが一般的です。
反保の種類は様々ですが、自己資金(預貯金)や物件(土地建物)などが一般的です。
これらの担保が必要なローンの場合、担保価値が不足するとローン利用が不可能となる可能性が高いので要注意です。
③ ローンの種類は?
ローンの種類は多岐にわたりますが、一般的なローンの種類は以下があります。
・住宅ローン:住宅などを購入するためのローン
・自動車ローン:自分が乗車する車を購入するためのローン
・教育ローン:学費や教育関連費用に利用するためのローン
・フリーローン:個人の生活費や消費の為に利用するローン
・カードローン:専用の借入カードを利用し、限度額内で自由に借入可能なローン
以上がメジャーなローンです。
他にもデンタルローン、医療ローン、自転車ローン等々、資金使途によって異なるローン商品は多数存在しますので、自分に必要なローンを探して利用を検討してみてください。
④ ローン金利の決まり方
ローンの金利は多くの要素によって決定します。
主な要素としては以下の3点が挙げられます
・ローンの種類(利用目的)
・市場金利
・借り手の信用度
⑤ ローンの返済方法や期間の決まり方
ローンの返済方法や期間は借り手と貸し手の合意に基づいて決定されます。
一般的な返済方法には以下のようなものがあります。
・定額返済:毎月一定額の返済
・元利均等返済:毎月定額の元利金を返済(毎月の返済額は一定)
・元金均等返済:毎月定額の元金を返済(毎月の返済額は変動)
返済期間はローンの金額や条件、借り手の要望に応じて設定されますのでローン利用前に確りと確認してみましょう。
⑥ ローン返済を早める方法
ローンの返済を早めるためには、以下の方法があります
・繰上(追加)返済 : 余裕のある場合に追加の返済を行うことで、返済期間を短縮できます。
返済期間はそのままとし、毎月の返済額を減少させる事も可能です。
月の負担を減らすことが出来ますよ。
利息負担の軽減 : 高金利のローンを低金利のローンに借り換えるなど、利息負担を減らす方法があります。
消費者金融やカードローン等、高金利になりがちな借入を借換
住宅ローンの借換などが有効です。
⑦ ローンの支払利息を減少させる方法
ローンの利息を減らすためには以下の方法があります
・金利交渉 : 借り手と貸し手の間で金利交渉を行う事
個人の借入の場合成功確率はそれほど高くありませんが金利交渉を行う事で借入金利を下げることも可能です。
住宅ローンの借入の場合、他行への借換を匂わせれば成功確率は・・・
・返済期間の短縮 : 返済期間を短縮することで、総利息負担を減らすことができます。
⑧ ローンを利用する際の注意点やリスク
ローンを組む際には以下の注意点やリスクを事前に確認してください。
1. 返済能力
ローンを組む前に自分の収入や支出状況を確りと把握しておくことは重要です。
毎月の返済額は無理のない範囲で確実に返済可能かを確認しておきましょう
2. 金利変動リスク
利用しているローンの金利が変動金利であった場合、金利上昇によって毎月の返済額はもとより最終的な支払額が予定より大きくなる危険性があります。
変動金利を利用する場合、毎月の返済額は余裕をもって支払える金額に収めることが重要です。
3. 借りすぎ
最重要項目です。
【銀行が貸してくれるから返せると思った】という言い訳は通じません。
借りられる=返せるではありません!自分の身の丈に合った借入計画を立てましょう。
※延滞による資産差し押さえや信用リスクなど多種多様な問題が生じる恐れがあります。
⑨ ローンの返済が滞った場合
ローンの返済が滞った場合の影響は以下が挙げられます。
1. 信用の低下
返済が滞ると信用情報に延滞の事故情報が登録されます。
このような事故情報が掲載されてしまうと、あらゆる審査に通過しにくくなり、万が一の時に資金調達が不可能となる恐れがあります。
また、信用情報は種類ごとに抹消条件があり、条件を満たさない限り半永久的に情報が残るので注意が必要です。
2. 遅延損害金の発生
返済が遅れた場合、毎月の返済額に遅延損害金といういわゆる罰金が追加されることとなります。
遅延損害金の割合は契約書に記載されていますが、14%程度が一般的です。
3. 差し押さえ
住宅ローンなどの場合、担保に設定している住宅や土地が差し押さえられますので、最悪住居を失う可能性があります。
他にも預金や給料が差し押せられると預金通帳の利用が出来なくなるだけでなく、勤務先に差し押さえに関する届け出が行くなど、生活に多大な影響を与えることとなります。
⑩ 借換、繰上返済、リスケとは?
ローンの借換や繰上返済については、個別のローンや金融機関の対応により異なります。
借換 : より低金利のローンに借り換えることで利息負担を減らす方法です。一般的には1年以上の借入期間があり、延滞歴が全くないことなどが条件になるケースが多いです。
繰上返済 : 毎月の返済とは別に返済を行う事で、毎月の返済額を減額したり、返済期限(借入期限)を短縮する事が可能です。毎月の返済額の減額及び、最終的な支払利息の減少がメリットです。
リスケ : 当初の返済計画を見直し、返済期限(借入期限)、毎月返済額などを変更する行為です。金融機関との協議が必須となり、各種書類の提出はもとより、金融機関からの各種条件に従う必要があります。
簡単ではありませんが、差し押さえと比べるとはるかにマシなので、返済が厳しいと感じた場合すぐに金融機関に相談する事をお勧めいたします。
最後に
ここまで住宅ローンの各種仕組みやリスクについて簡単に解説しましたが、上記の回答は一般的な情報であり、個別の状況や法律によって異なる場合があります。
具体的なローンに関する質問や状況に応じたアドバイスが必要な場合は、専門家や金融機関に相談することをお勧めします。
下記リンク先もご活用ください!