2種類の金利
住宅ローンには大きく分けて2種類の金利が存在します。
金利はそれぞれ【固定金利】と【変動金利】と呼ばれ、皆さんが住宅ローンの返済を行う上でとても重要な物となっていますので、ここで確りと仕組みについて学んでいきましょう。
固定金利
固定金利とは読んで字のごとく、金利が固定(一定)されているものとなります。
この固定金利については殆どの金融機関が【●年】や【全期間】など期間を指定しており、それぞれの期間に限り金利を固定しています。
例えば借入時の【3年固定金利】が1%であったなら、その後も3年間は1%で借り入れし続けることが出来るという物になります。もしも現在の金利が大幅に上昇し、新規借入時の金利が3%になったとしても借入時の金利1%が適用されることとなるので、その際は大きなメリットが享受できます。
また、金利が固定されていると言うことは支払う利息も常に一定ですので、返済計画を立てる時にも重宝される金利となります。
変動金利
変動金利も読んで字のごとく、金利が常に変動するものとなります。
この金利については特に期間が無く、固定金利を選択するか、完済するまで利用することが可能となります。
借入時の金利が1%であったとしても、その後に金利が変動した場合、0.5%になる事もあれば2%になる事もあり得るのが変動金利です。
金利が下がった場合、固定金利と違い支払利息が減少しますので変動金利の大きなメリットと言えます。
ただし、常に金利が変動する可能性があるので、完済までの返済計画が立て辛いかもしれません。
以上のように、それぞれに特徴が有る2種類の金利ですが、どちらも一長一短です。
ここではそれぞれのメリットとデメリットを確りと把握することで、確りと考え選択できるようにしていきましょう。
固定金利のメリット
固定金利のメリットとして以下の2点が挙げられます。
① 金利が常に一定(金利上昇リスクに備えられる)
② 返済額が一定
①については金利が常に一定ですので、今後もしも新規借入金利が上昇したとしても、
契約した固定期間は金利が上昇することは無いので返済額の上昇を防ぐことが出来ます。
②については金利が常に一定ですので、返済額(利息+元本)の割合が常に一定となります。
例えば全期間固定を選択した場合、完済までの計画を容易に立てることが出来ます。
固定金利のデメリット
では次にデメリットを見てみましょう。大きく以下の3点が挙げられます。
① 金利低下の恩恵を受けられない
② 変動金利より高い金利の場合がある
③ 借換の時に手数料が発生する場合がある
①ですが金利上昇の場合はメリットになりますが、金利下落の場合はデメリットとなります。
例えば固定金利1%を利用中に金利が下落し、新規借入金利が0.5%となった場合でも、固定期間中は1%の金利が発生するので、通常の金利よりも0.5%高い利息を支払う必要があります。
②については固定金利の性質上、金利上昇のリスクを抑えるという機能がありますので、その点で多くの場合変動金利よりも若干高い金利が使われるケースが多くなります。
ただし、同じく殆どの金融機関では初回の借入時は固定金利をかなり低く設定しているので、2回目に固定金利を利用する際に注意が必要です。
③は金融機関によって異なりますが、店舗のある金融機関については手数料が発生する事が多いと思われます。顧客の金融機関利用状況によって無料になるケース(銀行クレジットカードや投資信託を保有していれば無料など)も有りますので、契約時に確認することをお勧めします。
ネット銀行などの店舗の無い金融機関ですと、手数料無料も存在しますのでこれも一度ご覧頂くと良いかと思います。
変動金利のメリット・デメリット
変動金利のメリットとして以下の2点が挙げられます。
① 金利低下の恩恵を受けられる
② 固定金利よりも低金利の場合が多い
③ 借換時など手数料が発生しづらい
①についてですが、常に借入金利が変動することにより借入時点よりも金利が低下する状況が続いた場合、支払利息が当初の予定よりも少なくすむという恩恵を得ることが出来ます。
借入金利1% ⇒ 金利低下で0.5%に変動 ⇒ 0.5%分の利息減少
②は概ね変動金利の方が固定金利よりも低い場合が多いので、より低い金利で借入が可能という点になります。ただし、金融機関は一番初めの借入金利については特別に低い固定金利を用意しているので、固定期間終了後に再度金利を選択する際に解るメリットとなります。
③の手数料は金融機関によって元々発生しない場合もあるので、必ずしもメリットとは言えないかもしれませんが、多くの場合固定金利選択時には発生する手数料が変動金利では発生しません。
変動金利のデメリット
では次にデメリットを見てみましょう。大きく以下の点が挙げられます。
① 金利上昇時に利息が増加する
② 返済金額が上下する為返済計画が立て辛い
①ですが金利が下落した場合支払利息が減少するというメリットがある反面、金利が上昇してしまった場合、支払利息が増加するというデメリットを併せ持っています。
借入時金利1% ⇒ 金利上昇で2%に変動 ⇒ 1%分の利息増加
②については常に金利が変動するという性質上、金利が大きく動いた場合返済額(元本の返済金額)が上下する可能性がありますので、借入時に計画していた返済予定と齟齬が発生する可能性があります。
まとめ
固定金利 : 期間中の金利が常に一定
メリット : 期間中は金利、返済額が常に一定で
返済計画が立てやすい
デメリット: 金利低下の恩恵を受けられず
各種手数料がかかる場合がある。
変動金利 : 金利が常に変動する
メリット : 金利低下時に恩恵が受けられ、
固定金利より低金利、手数料が無い
デメリット: 金利上昇リスクあり
返済計画にずれが生じやすい
以上が【固定金利】と【変動金利】の説明となります。
どちらも良くも悪くも特長がありますので、借入の際はどちらでも良いなどと思わず、今後のライフプランを考えながら自分に合った金利を選択するようにしましょう。