金融商品とは
金融商品とは証券会社や保険会社、銀行などの金融機関が提供、仲介する商品の事を指し、各種預金、投資信託、株式、社債、公債、保険などの商品が該当します。
金融商品には3つの性質があり、各商品によってそれぞれの強みと弱みは様々です。
購入を考えている方はそれぞれの商品性を確りと認識した上での購入をお勧めします。
3つの性質
① 安全性
安全性とは金融商品を購入した資金が目減りしたり、期待していた利益が得られなくなる危険が無いかという点に着目した基準です。
株価変動による損失の発生や、預金金利の低下による利息減少等が該当します。
② 流動性
金融商品を購入した資金を必要な時にどれ位自由に現金に換えることが出来るのかという点に着目した基準です。
預金の様に無料で出し入れできる商品(時間外手数料などは除く)もあれば、保険商品の様に満期前の解約によって損失を被る商品もあります。
③ 収益性
金融商品を購入し、資産運用を行う事でどれ位の利益が期待されるかという点に着目した基準です。
預金や国債の様にリターンが少ない物から、株式運用のように大きなリターンを見込める物もあります。
一般に安全性、流動性、収益性の3つの基準全てに優れる金融商品は存在しませんので、自分の目的に応じてどの基準を優先させるべきなのかを明確にしてから金融商品を購入する必要性があります。
各商品の性質
各商品の性質を一概に説明することは困難ですが、以下に私の考えるおおよその基準を記載させていただきます。
10点満点形式(最高10点、最低0点)で点数分けをしていますので、参考にしていただければ幸いです。
※あくまで私の意見ですので、実際に購入する商品と合致しないケースもあることをご了承の上ご覧下さい。
預金
① 安全性 9
② 流動性 10
③ 収益性 1
預金は銀行が破綻しない限り損失を被る危険性が少ないので、安全性は高い商品です。
また、資金の出し入れも窓口やATMで自由に行うことが出来ますので、流動性は極めて高いと言えるでしょう。
ただし預金金利は史上最低の超低金利ですので、利益を求めることは困難です。1億円を預金で1年運用しても利息は千円程度です。
投資信託
① 安全性 2~8
② 流動性 5
③ 収益性 2~8
投資信託は商品のパッケージです。各投資信託によって運用先が株や債権、不動産など様々ですので、先ずは自分の購入する投資信託の商品内容を把握するようにしましょう。国債などの安全な投資先から新興国の株式のような高リスク投資先もありますので、2~8と幅を持たせていただきます。
投資信託の売却はおおむね申込をしてから1週間前後の時間を要します。即日の解約などは不可能となりますので、預金などに比べると流動性は低下します。
安全性の項目と同様に、商品内容によって大きく変化しますので2~8と大きな幅があります。購入商品の内容を確実に確認するようにしましょう。
株式
① 安全性 2
② 流動性 6
③ 収益性 10
株式は購入する企業が破綻してしますと実質紙くずになってしまうと思っていただいて構いません。その為株式を購入する企業規模によってリスクの大小は異なります。大企業の株式と中小企業の株式ではリスクが大きく異なるのは解って貰えるかと思います。とはいえ、どの企業でも破綻する可能性がありますのでそういったリスクを考え安全性は2点とさせていただきます。
株式も投資信託と同様に解約を申し込んでから口座に入金されるまでに数日の時間を要します。即日の解約などは不可能となりますが、概ね投資信託よりは早期に資金が戻ってきますので、流動性は投資信託以上、預金以下とさせていただきます。
株式は企業の破綻によって紙くずになるリスクもありますが、企業の業績によっては高額な配当金や株主優待と言った保有するだけで享受できるメリットがあります。それ以外にも購入時より株価が上昇していれば売却時にも利益を享受できますので、相対的に高い収益性が見込めるので10点を付けさせていただきます。
社債
① 安全性 4
② 流動性 6
③ 収益性 5
社債は企業が発行する債券への投資です。債券とは企業の借金ですので、債権に応じた金利を利息として受け取ることが出来ます。企業への資金を貸しているようなイメージとなりますので、株と同じように企業が破綻した場合に社債が紙くずになるリスクはつきまといます。しかしながら破綻した企業に資金が残っている場合、株式保有者よりも優先的に返金されますので、株式よりは安全性が高くなります。
株式などと同様に申込後資金が返ってくるまで期間を有するケースも有りますので、若干流動性を低く見積もっています。
預金や国債よりは高い金利が期待できますが、債券自体の金利もそこまで高くない為、収益性も比例して低く予想されます。しかしながら一定の安全性を保ちつつ国債や預金よりも高い金利で運用できますので5点をつけさせていただきます。
公債
① 安全性 6
② 流動性 6
③ 収益性 3
国債は国や地方公共団体が発行する債券への投資です。国や地方公共団体への借金ですので、債権に応じた金利を利息として受け取ることが出来ます。社債と同じように国や公共団体が破綻した場合に国債が紙くずになるリスクはつきまといますが、よっぽどの出来事が無い限りは最悪の事態になる事は想定できませんので安全性は高いと思われます。しかしながら地方公共団体の財政破綻は現実に起こりえる物ではありますので、それを考慮し6点とさせていただいております。
株式などと同様に申込後資金が返ってくるまで期間を有するケースも有りますので、若干流動性を低く見積もっています。
債券自体の金利もそこまで高くなく、尚且つ国債は社債よりも金利が低い事が殆どですので預金以上社債以下の3点とさせていただきます。
保険
① 安全性 8
② 流動性 2
③ 収益性 8
ここでいう保険とは毎月決まった保険料を支払うような掛け捨て保険では無く、一括若しくは分割で決められた保険料を振り込む一時保険と呼ばれる物が主流となります。基本的に生命保険の機能を持った商品が主となりますので、保険の満期期間まで保有すれば損失を被るケースはほぼありません。しかしながら満期前の解約では殆どの場合まとまった額の損失が発生しますし、近年では外貨で運用する商品も数多く搭乗し、満期まで保有しても為替変動により損失を被るケースも散見される為、若干安全性を下げております。
解約時の損失や手数料を考慮しなければ、解約後1週間程度で資金は戻ってきますが、自由に現金化できるとは決して言えませんので、流動性はかなり低いと考えます。
一時払い保険の場合、購入時点で保有年数に応じた利益が確約されます。これは殆どの場合購入時に配布される設計書で把握できますので、決められた期間保有するだけで期待した利益が約束されるという点ではとても優れた収益性を有していると言えます。ただし、満期前解約や外貨保険の為替リスクなども考慮し収益性を8とさせていただきます。
※保険商品には利益を目的として購入する投資向け商品もあれば、相続対策としての生命保険の機能しか持たない商品もあります。そのため相続対策としての生命保険では○○%の利益と言ったような目に見える収益性が低い商品も存在します。本項目はあくまで目的に応じた収益性という観点で採点しておりますのでご了承下さい。
最後に
投資を行う前には3つの性質を頭に入れた上で商品を選択する必要があります。
投資にまわす資金がどの程度の期間運用に使用できるのか?
どの程度までのリスクを許容できるのか?
どの程度の利益を期待しているのか?
商品購入前にはこの3点をしっかりと認識し、その商品がこの3点を満たすことが出来るのかをよくよく考えた上で購入するようにしましょう。