こんにちは
今回は「住宅ローンを利用中の家を第三者に貸すことのリスクと注意点」について、銀行で実際に住宅ローン業務を行っていた私が詳しくお話しします。
結論から言うと、「黙って貸す」のは非常に危険です!
「転勤で家を空けることになった」「引っ越したけどマイホームを売るのはもったいない」そんな理由で、自宅を貸し出したいと思う方は多いですよね。
でも、住宅ローンの契約内容によっては、大きなトラブルに発展する可能性があるんです。
ここではそんなトラブルを回避するために
「住宅ローンを利用中の家を第三者に貸すことのリスクと注意点」についてしっかりと学んでいきましょう!
そもそも住宅ローンって「誰が住む前提」?

住宅ローンは基本的に「本人または家族が居住する目的」で利用することが前提です。
金融機関との契約書にも「自己居住用」や「居住用住宅に限る」などの文言が記載されています。
つまり、
- 住宅ローン=自分で住むためのお金
- 投資用ローン=人に貸して収益を得るためのお金
と明確に線引きされているのです。
勝手に貸したら契約違反!そのリスクとは?

住宅ローン返済中の家を無断で貸し出すと「契約違反(ローン契約違反)」になります。
では、契約違反すると何が起こるのでしょう?
① ローンの一括返済を求められる可能性
金融機関が契約違反と判断すれば、「期限の利益の喪失」となり、残債全額を即時返済しなければならない可能性があります。
これは、住宅ローンの数千万円を一括で返せという厳しい措置です。
② 金利優遇の取消し
住宅ローンには「変動金利0.5%台」などの金利優遇がある場合が多いですが、これも打ち切りになることがあります。
通常の投資用ローンは金利が高く、2〜4%以上になることも。
月々の返済額が急増するケースもあるため要注意です!
③ 信用情報への影響
最悪の場合、信用情報に傷がつき、今後の借入(カーローンやカードローン、住宅ローンの借り換え等)に悪影響を与えることも。
住宅ローン利用中は絶対に貸せないのか?・・・実は「貸せる方法」もある
ここまで読んで「やっぱり貸し出しは無理なのか…」と思った方、安心してください。実は、正しい手順を踏めば合法的に貸す方法もあるんです。
① 金融機関に相談する

まずは、住宅ローンを借りている金融機関に正直に相談しましょう。
転勤などやむを得ない理由がある場合、「一時的な賃貸であればOK」と許可してくれるケースもあります。
ただし、条件が付くことが多く、
- 一定期間内の賃貸のみ可
- 家賃収入は報告すること
- サブリースや法人貸しはNG など
詳細は個別に異なるため、必ず金融機関に確認しましょう。
② ローンの借り換え or 一括返済後に賃貸
どうしても自由に貸したい場合は、
- 住宅ローンを完済する
- 投資用ローンに借り換える
という方法もあります。ただし、借り換えには審査があり、金利は住宅ローンより高くなるのが一般的です。
注意!サブリース業者に騙されないで

最近では「転勤中だけ貸しませんか?」と営業してくるサブリース業者も多いですが、注意が必要です。
中には、
- 住宅ローン中でも問題ないと虚偽説明する業者
- 金利優遇の打ち切りリスクを隠す業者
も存在します。
金融機関に無断で賃貸に出し、あとからトラブルになるケースが後を絶ちません。
「バレなければ大丈夫」と言う人もいますが、住民票の移動や税務申告、近隣からの通報など、バレる可能性は十分あります。
まとめ:貸す前に「正しいステップ」を!

住宅ローン中の物件を貸し出すには、必ず以下のステップを守りましょう。
- ローン契約書を確認(自己居住用の記載があるか)
- 金融機関に必ず相談
- 正式な許可を得たうえで賃貸契約へ
無断での賃貸は、将来の資産計画に大きな影響を与えるリスクがあります。
安心・安全に運用するためにも、事前の確認と相談が最重要です!
最後に…
マイホームは人生で最も大きな買い物です。だからこそ、「ちょっとした油断」で大きな損をすることのないように、正しい知識を持って行動しましょう!
不明点があれば、信頼できる不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめですよ。



